「みな、やっとの思いで坂をのぼる」
水俣の永野三智さんが本を出された。 「みな、やっとの思いで坂をのぼる」 ページをめくると、 「故溝口秋生先生に捧ぐ」と。 涙が溢れて止まらない。 深呼吸して、泣かずに読む。 終わった話じゃないのだ。
思い出せば、のどかで優しい空気が漂う水俣。 モノクロの、水俣病の苦しみだけがある町じゃない。 人々のいつもの暮らしの中で起こったこと。
患者さんの声を聞き続けるみっちゃん。 やっとの思いで、坂をのぼり、声を出した人々を、 きり棄てていく国。
まだ読み終わっていません。 ゆっくりしか読めなくて。
ただ、多くの人に読んで欲しい。
私は水俣へ行くようになって、私が撮りたかったものは尊厳だったんだと教わりました。
今、写真を振り返る作業をしてて、みんなで一緒に水俣へ行った写真が出てきた。 子どもたちも溝口先生のおうちへ連れて行ってもらってたね。 患者さんでもある奥さんと、胎児性水俣病の息子さんが一緒に暮らされて、そして先生はお母さんの裁判を闘っていた。
会う時はいつも笑顔で。
みっちゃんが教えてくれた海底から湧く真水「ゆうひら」。 豊かな豊かな海。 森と海はつながっていると、最初に教えてくれたのも水俣。
早くまた行きたい!